新北板橋林家花園ローカルガイドさんとウキウキ2hrsツアー

台湾板橋生活

おすすめ度MAX! 台湾在住者にも海外からのお客さんにもおすすめできる場所

評価 :5/5。

こんにちは!たまごです。

今日は前から行ってみたかった、新北市板橋區の府中駅近くにある、林家花園こと林本源園邸へ行ってきました。

この園邸は、清代の1853年に台湾のお金持ちの林さんが、屋敷部分の三落大厝を建てたのに始まり、その後庭園部分も建築・修築され、1893年に、まさに40年の歳月と莫大な費用を費やして完成されたものです。総敷地面積は約6054坪と紹介されています。

林家の興した事業のうち、もっとも有名なのは米の販売。当時台湾北部有数の米どころ新莊に近いということもあり、現在の板橋に拠点を構えたそうです。

広さも歳月も、(そしておそらく金額も)桁違いの園邸と言えるでしょう!

どうして前から行ってみたかったかというと、いつも利用しているMRT府中が、府中(林家花園)駅だからです。駅名に”林家花園”がこっそり仕込まれているんですね。

近くに住んでみるまで、この場所のことは知らなかったのですが、新北の板橋の歴史には欠かせない重要な場所なんですね。

邸宅部分

三落大厝 〜コテコテの台湾語ガイドさん現る

こちら、”三落大厝”の部分のみは私有地になっていて、ボランティアガイドさんが連れて行ってくれる時間だけ入ることができます。(中国語のガイドさんです。)基本的に平日は一日4回、休日は1日5回時間が設定されています。希望者は当日整理券を受け取る必要があります。詳しくは後の方でご紹介しますね!

開始時刻5分前に、入り口に参加者が集まります。そこでガイドさんが

「それではツアーを始めたいと思いますが、まずみなさんにお聞きします。この中で台湾語がわからない人はいますか?

なにその消去法!? まさかの台湾語クエスチョン!やばい!慌てて手を挙げると、もう1人だけ若い女の子が手を挙げていました。

「じゃあ中国語でご説明しますね」

危なすぎる!

ボーッとして手を挙げそびれていたら危うく前編台湾語のツアーになってしまうところでした!(^^;)

さて、ガイドさんが早速色々説明してくれます。まずはこの園の名前からよみときます。

林本源園邸という名前、人名−−−林本源というのが三文字で、頭が姓の林さん、残りの本源が名前かと思いがちですが、実は林本源というのは屋号、今で言う会社名のようなものだったそうです。そして園は庭園部分(三落大厝以外の部分)、邸は邸宅の邸と言うことで、まさに今から入ろうとしている三落大厝に当たります。

中に入ると右手に庭、左手に屋敷があります。右手には政府への貢献度の高さをたたえる石碑が建てられています。

そして左手に大きなお屋敷が立っています。

このようなお寺のような形の屋根は、お寺以外には限られた建物にしか使用を許されていなかったそうです。それだけこの林家の身分が高かったことを示しています。

また、この足部分の作りも格調高い身分の高い家柄の屋敷であることを表しているそうです。

邸宅の中の部分は撮影禁止のため写真はないのですが、清代には男女が簡単に顔を合わせることがなかったことから、女性がお相手候補を覗き見る面通し機能のある窓や、高貴な女性がそれ以上外側に出てはいけなかった「二の門」、外壁には、晴れた日には鳥を止まらせ、雨の日には水の流れを作る棚などなど、林家の当時の優雅な暮らしを垣間見ることのできる部分が綺麗に残されていました。

中国(清代)の歴史がわかっていたらもっとおもしろかったんだろうなぁ!と思いました。知識ゼロでもこんなに楽しめたので、歴史好きの方にはもうたまらないと思います。

歴史や建築物に興味がある方はぜひガイドさんと一緒に三落大厝を見学してみてくださいね!

さて、ボランティアガイドさんのツアーですが、三落を参観し終わったあとも、園内を案内してくれます。「時間のある方は一緒に園内も回りましょう。30分くらい」とのこと。しかしこのガイドさん、ものすごくしゃべれる方で、見学者も熱心に質問したりしたので、三落45分、園内一時間で、全行程は約2時間でした(>∀<)

庭園部分

汲古書屋 〜図書館

ガイドさんはこの場所を「図書館」と読んでいました。なるほどわかりやすいし身近に感じますね。

昔はこの図書館入り口の真正面に門があったそうです。

門から入ってくるお客さんが、第一に目にする美しい汲古書屋の様子。わざとそういう設計にしていたそうです。当時の人はどんな気持ちで足を踏み入れたのでしょうか。今もきれいですが、建てられた当時は色合いももっと鮮やかできれいだったのでしょうね。

図書館の中はお土産屋さんになっていて、板橋や林家花園ならではのお土産もあります。広くはないのですが、なかなか板橋に特化したお土産ってそんなに多くないので、ちょっと変わったお土産を探している人にはぴったり。

アイスバーも売られていました。

お土産なので、順路的にはこの図書館を最後に回してもいいかもしれません。

ところで、外から見たとき、この図書館に向かって左手に、小高い丘のような部分が設置されていて、階段を登ると椅子が2つ…(笑)ここから見下ろす園内もなかなかいいです。当日は34℃あったので、ちょっと座ってすぐ退散したのですが、もっと涼しくなったら、ここでゆっくりまったり過ごすのもいいですね!ぜいたくな気分になれそうです。

方鑑齋 〜池&書斎

ここには四角い池と、舞台と、書斎があります。林家の兄弟の中でも特に優秀だった二人が、左右2つの部屋で学問に励んだそうです。

そして舞台というのは、書斎から見て池を挟んだ向こう側の四角い部分のことです。最初東屋的なものかと勘違いしちゃったんですけど(^_^;)昔は今のようにテレビやスマホもなかったので、この舞台に芸人さん(役者さん)を呼んでパフォーマンスを楽しんでいたそうです。私が行ったときはすでに午後だったので蓮は閉じているもののほうが多かったのですが、綺麗でした。

ところでこの方鑑齋を囲んでいる廊下の壁面には、文字が書かれています。元々はもっとみっしり書かれていたのですが、今は復元できている部分だけになるそうです。

  • 復元された文字

來青閣 〜5つ星ホテル

こちらは美しさや色々な設備を備えた、今で言うところの5つ星ホテルに当たるようなレベルの建物で、大切なお客様がいらした時ここでもてなしたそうです。園内で一番豪勢なな建物で、昔々、二階からは淡水まで見えたとか見えなかったとか!?

では中に入ってみましょう!

中には台湾の伝統工芸も展示されていました。

布袋劇の人形です。この建物の向かい側には、昔のエンターテイメントに当たる舞台が設置されていたので、そこでも演じられていたのかもしれませんね。

香玉簃 〜花を楽しむ場所

こちらは來青閣と定靜堂をつなぐ回廊があって、建物よりも花壇がメインの場所です。その昔、例えば身分の高い女性は適当に外に出られませんでしたので、数少ない楽しみの一つとして花を愛でたとか。

▼時期になると、ここに色とりどりの花が咲くそうです。

▼建物の写真はこちらをご覧ください!

林家花園ホームページ 花玉簃

月波水榭 〜月を眺める

こちらは”方勝形(ほうしょうけい)”という、菱をつないだ形の不思議な建物になっています。橋で岸とつながった形になっていています。

この建物の上から、本物の月と池に映る月の二つを同時に楽しめたそうです。

建物に青い字で「拾級」(昔の書き方で右から書かれています)とあります。「拾級而上」と言う言葉があって、一歩一歩順調に上に登っていく、と言う意味なのだそうです。この橋を渡っていく様子を林家の繁栄や、「トップに上り詰める!」と言う野心が込められているのかもしれません。

定靜堂 〜宴会場

こちらは林家が大切なお客様のために宴会を開いてもてなした場所だそうです。

▼まずは外の様子。装飾がすごく凝っています。蝶々やコウモリ型の装飾は初めて見ました。

続いて中の様子です。

ちなみにこの床の模様は、公的な場はひし形◇、私的な場は□になっています。ですので三落の邸宅の方は、入口入ってすぐのところは◇でしたが、中の方は□になっていました。(菱は人と言う字が人人人人と重なってできている形だから、人を入れる場所なんだだそうです)ご興味のある方はぜひ注意して見てみてください。

見学当日はまあまあ暑い日(34℃)だったのですが、中に入ると外よりも一・二度気温が低く感じられました。ひんやりして薄暗くて、ちょっとお寺みたいな厳粛な感じも。宴会を開いていた場所とは、想像しにくいです。まあ私が開くようなどんちゃん騒ぎの宴会じゃなくて、もっとフォーマルな会食・宴席なんでしょうねー。

觀稼樓 〜労をねぎらう

こちらは、二階に登ると林家の農耕地が見渡せ、労をねぎらう気持ちを込めて建てられたそうです。來青閣と比べて小さいので、”小楼”とも呼ばれるそうです。

こちらの建物の中の展示内容は、現在も続けられている伝統工芸と、職人さんの紹介になっていました。

この日はありませんでしたが、本来であれば中国語・台湾語・英語・日本語・韓国語・客家語のビデオ放映があるそうです。次回ぜひ見てみたいですね。

榕蔭大池

”榕蔭”の英語訳はbanyan バニヤンとなっていて、ガジュマルに当たるそうです。池にはたくさんのガジュマルで囲まれています。

また、池の周りなんですが、岩のゴツゴツした階段のような迷路のような部分があって、小さい子どもが遊んでいました。かくれんぼみたいで楽しいです。

ただ、小さいお子さんだと岩場の影に隠れてしまってすっかり見えなくなってしまう部分もあるので、十分注意してください。

植物も歴史が深い!

園内の植物も古いものが多いようで、とても立派な樹木がたくさん残されています。古い木は大きな支柱で支えていたりと、とても大切にされています。

一つ一つ説明も付けられているので、お子さんの植物学習にもいいかと思います。

謎の通路

園の真ん中あたりにある細くて狭くて天井の低い通路があります。ちょっと探検みたいで単純に楽しいです。

Next: 注意事項、周辺おすすめスポットに続きます!

注意事項

コロナ対策

屋外の公園部分はマスクなしでもOKですが、入場時や、各建物の中はマスク着用の指示がされていますので、必ず忘れずに準備してください。

入場の際は、台湾人は健保卡(台湾の健保カード)でチェック、外国人は健保卡がある人でもシステム上チェックできないということで、小さな紙に氏名・電話番号・統一番号を記入する必要があります。もし感染者が発生したとき、追跡・連絡できるように使用します。投票箱の中に入れればOKです。

熱中症に注意!

林家花園は、建物の中も基本的に冷房はありません。ですので夏季は水を持って入場するなど、こまめに水分補給してください。

そういう私も、ガイドツアーの前後含めて4時間も滞在したので、熱中症になってしまいました!途中でガイドさんの話を聞けなくなるのがもったいなくて、最後までついて行っちゃったんです。ガイドさんのお話を聞きたい方は特に水分の準備をしてください。

もし水を忘れた場合も、トイレの脇に水飲み場があります。トイレの横っていう場所がちょっと嫌ですが(笑)

むやみに触れたり荷物を置いたりしない

日本人の方なら、ほとんどの人は、盆栽って高価なものだという認識があると思うので大丈夫だと思うのですが、盆栽が置かれている石のスタンドには荷物などを置かないよう注意してください。当日注意されている人が何人もいました。

“三落大厝”は突然閉まることもあるから気をつけて

この林本源園邸、庭園部分は新北市に寄付されているのですが、邸宅部分の”三落大厝”は私有地で、毎日決まった時間だけガイドさんと一緒に入ることができます。家族行事などで使用している日は閉まっています。

せっかくなのでネットで”三落大厝”が開いている日を調べて、いざ出陣です!

ところが、いざ到着してみると、「今天工作人員去員工旅遊~」(今日は職員さんが社員旅行に行っちゃった(笑))という理由で閉まってました!

うそっ(笑)出ました台湾あるある!(社員旅行でお休みのケースが結構あります。この他、お店だったりすると、張り紙に休業の理由が妙に具体的に書かれてたりします)

こんな風に、公式ホームページの情報も100%あてにはなりませんので、必ず三落を見たいという方は、当日電話して確認するのが間違いないと思います。


「せっかくだから”三落大厝”も見たいです。近くだから明日また来たいんですけど」というと、丁寧に何時の回は何時から整理券を配るか、一つ一つものすごく教えてくれました(後ろに他のお客さん並んでるのに(>▽<))

▼カウンターの係員さんが書いてくれたメモw

わかりにくいですね!(笑)解説しますと、基本的に参観時間の一時間前に整理券配布が開始されます。

▼土日祝日の場合は14:30の会が増えるので、若干変則的です。

9:00開園時 10:00の回の整理券配布開始

10:00 11:00の回の整理券配布開始

13:00 14:00の回の整理券配布開始

14:00 14:30の回の整理券配布開始

14:30 15:00の整理券配布開始

※14:30の回は土日祝日のみです。

※15人になったところで締め切りです。(以前は30人でした)

※時間の5分前までに三落大厝の入口集合です。人が集まっているのですぐにわかりますよ!


「どの回が一番空いてますか?」と聞いたところ

「午前中の方が空いてるわよ。特に10:00の回は一番空いてるわね。この辺の人たちは、大概朝ゆっくりだから…」

だそうです。コメントがいちいち おもしろい…。

中は、庭の部分や外観は写真OKですが、家屋の中はNGです。

こちらのツアーは予約なしで当日整理券をもらうタイプですが、事前に電話予約して、日本語ツアーをお願いすることもできるそうです。5人以上から受付です。日本人や日本語のわかるお友達と歴史ツアーに出かけてみるのも楽しいかもしれませんね!

台湾味が濃い

これは別に気にしなくてもいいことなのかもしれませんが、アイスバーを食べながらも参観OKだったり、いろんなところに突然忘れ物が放置してあったりして、よくも悪くもゆるいです。あらかじめ心の準備をされて来たほうが、ガッカリしなくて済むかも(笑)

アクセス

MRT板南線 府中站 府中駅から徒歩10分弱です。

林本源園邸 ホームページ

開園時間:午前9時から午後5時まで。

休園日 :2020は 1/6、1/24、1/25、2/3、3/2、4/6、6/1、7/6、8/3、9/7、10/5、11/2、12/7

所在地:新北市板橋區西門街9號

電話:886-(0)2-2965-3061

入場料:80元(ただし新北市に戸籍がある方は外国籍でも無料)(2020年8月現在)

周辺のおすすめスポット

冷房最強の文房具屋さん

林家花園には冷房がありませんので、行き帰りに冷房最強の文房具屋さんで休憩です。台湾みやげも売っていたりしておすすめ!

市場のワンタン麺屋さん

お腹が空いたらこちらでワンタン麺!私は帰りに寄りました。小吃のお店なのですが、テーブルがキチンと拭かれていて清潔な印象。發票も出るお店です。もちろん味もおいしいですよ!

おわり

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