鶯歌(インガー)の陶瓷博物館|可愛い感動牛展は21年4月28日まで

マジョルカ柄の台湾の陶器 おでかけ(台湾)

※ちょっとマニアックな観光地※

こんにちは!たまごです。

先日鶯歌(インガー)で陶器博物館を見学してきました。常設展も勉強になるのですが、特別展もあって楽しかったです。特別展は台湾の小学生による牛の数々と、昨年台湾で行われた陶器コンテストの入賞作品です。この施設自体は以前にも見学したことがあるのですが、特別展があったので新鮮な気持ちで見ることができました。

圧巻!とってもかわいい牛の数々

入り口を入ってすぐ右手に、台湾の小学生たちが色ぬりをしたかわいい牛の陶器がたくさん展示されています!そのかわいさと数に圧倒されます。あんまりたくさんいるので、思わずおもしろくなってしまって笑いが…。

色合いが学校ごとに指定されていて、その範囲内で自由に絵をつけたり色を塗ったりしています。

▼この東山小学校の子の作品は灰色でスカート(?)に陰影をつけていたりしてすごいです。一つひとつ個性が出ていてかわいいですね!

莊普さんと言うアーティストの方と一緒に取り組んだプロジェクトだそうです。莊普さんは、伊通公園の設立に関わった人だそうで、他にもこの方の作品は国立台湾美術館、台北私立美術館、高雄市立美術館と言った台湾の美術館の他に、日本の原美術館などにも展示されているそうです。

下は、参加した小学校の名前です。こういう楽しいプロジェクトに参加できるのはいいですねー。この「感動牛」の展示は21年4月28日までです。

常設展 1F 〜 陶器の作り方・種類

一階の常設展では、陶器がどのように作られるかの紹介をしています。

原料となる土・焼き方・色素には様々な種類のものがあります。それにプラスして、さまざまなデザインの技法があります。こうした原料・焼き方・デザインの組み合わせによって、いろんな種類の焼き物ができることが紹介されています。

▼道具と土の種類、工程の紹介です。

▼釉薬(うわぐすり)や、デザインの技術などの紹介です。使うものの種類によって、仕上がりが全然違ってくることがよくわかりますね!

ビデオでは粘土に彫刻を彫るような作業が紹介されます。線を引く方法・斜めに刀を入れて浮き彫りのようにする方法など、見ていて気持ちがいいです。

常設展 2F 〜 台湾の陶器の歴史&原住民の陶器

台湾の陶器の歴史はまず原住民の焼き物があり、その後中国や日本の影響を受けて色々な種類の陶器が作られるようになります。

二階の展示では台湾の陶器がどのような歴史をたどってきたのかを見学することができます。

台湾の陶器の歴史

展示室に入ると大きな地図・・・左側が北、右側が南になっている長ーい地図があって、各地の陶器産業の説明があります。お互いに影響の深い、日本や中国も書き込まれています。

続いて、各年代ごとの陶器の紹介があります。

▼その昔の原住民の陶器。17世紀になると、各種族の作った陶器がオランダやスペイン向けの貿易アイテムとして取り扱われるようになりました。

その後、中国の影響を受け、中華風の陶器も作られるように。

▼日本統治時代では、陶器の工業化が起こります。これまで器などに使われていた陶器の用途がグッと広がっているように見えますね。ブロックの「TP」とは、これを製造した台湾メーカーの頭文字だそうです。

第二次大戦後の台湾の陶器

日本が敗戦し台湾から退いた後、台湾では独自の陶器文化が再興します。道教や仏教のお寺の装飾もものすごく細かいデザインのものがありますが、ああいったものもこうした陶器ででいていたんですね。お寺の装飾って綺麗ですよね。宗教的な意義以外にも、純粋に芸術品としても鑑賞価値があると思います。

▼マジョルカ柄(花柄)の陶器です。お花やフルーツのデザインと色合い、質感がとてもみずみずしい感じを表現しています。お店のディスプレイとかにあったらとってもかわいい柄ですね。

台湾の陶器産業&現代の陶器

台湾での陶器メーカーのエピソードや、現代の工房などの紹介があります。写真は陶器に必要な原料を運ぶトロッコ・醤油のかめ・洋式トイレです。

現代の鶯歌の各地域の工房の紹介です。作品によっては高いところに展示されていて見づらいのですが、とても綺麗なのでじっくり見てみてほしいです。

▼現代の芸術作品です。展示されている場所がさりげないので、お客さんはみんな結構スルーしてしまっていたのですが、どれも綺麗なのはもちろん、特に真ん中の作品がいいと思いました。裸の女性が二人いるように見え、とても官能的な印象を受けます。こういう教育施設で突然こういう作品に出会ったのでびっくりしてしまいました。

古代&原住民の陶器

古代の陶器についての展示です。作り方や、土の種類によって出来上がりが全然違ってきますね。

2階の展示の一部は原住民の陶器についてとなっています。種族によって使われている土や作り方も全然違うので、それぞれに違った雰囲気のものが出来上がります。

人形のような形の陶器は、商売や信仰、遊び道具として使われたそうです。色々な動物などもあってかわいいです。(こちらはレプリカです)

2階の後半は、工業用の陶器・・・セラミックと台湾の産業の紹介です。台湾の稼ぎ頭、セラミックは半導体の材料にも使われていますね。

3F 企画展示室 〜コンテスト入賞作品

3階は特別展示室になっています。今は昨年台湾で行われた陶器コンテストの入賞作品が展示されています。現代的な作品なので解釈が難しい作品も多いです。コンテンポラリーアートがお好きな方にオススメ。日本人アーティストの作品もいくつかありました!

▲白い曲線が美しい作品は中国のアーティストの方の作品です。角度によってたまごにも見えるし、花びらみたいにも、洋式の便器みたいにも見えるのがおもしろいです。

▲一番気になったのは、こちらの”Kimono”という作品です。最初見たときは、いち日本人の立場から見て、「ふざけてるのかな?」と思ってしまい、そんなに好きではなかったのですが(ごめんなさい ^_^;)、なんだか後からジワジワ来る作品です。

作者のRoosさんはドイツの陶芸家で、作品の数々はアーティスト自身のホームページから見ることができます。親日家の方なのか、村上春樹さんの作品にちなんだアートも製作しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

▼陶芸アーティスト、ステファニー・マリー・ルースのホームページ

Stephanie Marie Roos Menschenbilder in Keramik
Figurative Künstlerin

3F の片隅〜コーヒーカップコンテスト 入賞作品

三階の特別展示室を全て見終わったところに、コーヒー屋さんのようなデザインのエリアがあるのですが、そこはコーヒー屋さんではなく、コーヒーカップコンテストの入賞作品の展示エリアでした。管理している職員さんもおらず、野放し状態のエリアです。(いいのかな…?)

ここにも素敵な作品がたくさんありました。実際にこれでコーヒーを飲むことはあるのかな?多分観賞用ですよね?どれも高級そうですし、ワレモノなので、見ていてちょっとドキドキしてしまいました(^_^;)

アクセス

新北市立鴬歌陶磁博物館

所在地:新北市鶯歌區文化路200號

 ※台鐵の「鶯歌」駅から徒歩約10分です。

電話:+886 (0)2 86772727

開館時間: 

平日 9:30-17:00 

土日祝日 9:30-18:00(旧正月などは変則的なので注意してください)

● 2021年 今後の休館日:4/6( 火)、5/3(月)、6/7(月)、7/5(月)、8/2(月)、9/6(月)、10/4(月)、11/1(月)、12/6(月)

入館料:大人80元(新北市に戸籍がある人は無料。窓口では「新北市民」なら良いからと言われ、居留証を確認されました。)

ホームページ:

首頁 | 新北市立鶯歌陶瓷博物館

地図:

おまけ1:鶯歌老街

鶯歌といえば鶯歌老街です!鶯歌にいったら必ず行って欲しいです。名物はもちろん陶器です。休みの日にはストリートミュージシャンなども出て楽しい雰囲気の場所です。

所在地:新北市鶯歌區尖山埔路

おまけ2:陶器のお買い物スポット

博物館からすぐ近くに生活用の瀬戸物がたくさん販売されているお店があります。うちで使うお皿などもここで買ってます。とっても広くて品揃えも豊富で、手軽な商品もたくさんあります。おすすめです!

金源成陶瓷

所在地 新北市鶯歌區文化路421-1號

営業時間 9:00~18:00

おわりに

陶器にフォーカスした博物館は珍しいということで、陶器好きの人にはとても楽しい博物館だと思います。私は母が瀬戸物が好きなので、もしまた台湾に来ることがあったらぜひ連れていきたいなぁと思っています。

個人的に、二階に展示されている現代の陶器がなかなか芸術的です。もしかすると、コンテスト入賞作品よりも2階に展示されている作品の方が好きかもしれません。見づらいところに展示されている作品もあるのですが、とても綺麗なのでお好きな方はゆっくり見てみてほしいです。

一階にはショップもあって、中には作家さんが作った作品もたくさん販売されています。価格は数百元のものから、何万元もする高級なものまで。芸術品で、著作権侵害になるということでカメラNGの作品が多く、写真は撮っていないのですが、ご興味のある方は、ゆっくりショップも見られるよう、時間に余裕を持ってお出かけください!

老街にはもっとお手軽な陶器もたくさん販売されていますので、掘り出し物を探しに行くのも楽しいと思います。割れものなので、持ち歩きにはくれぐれもご注意ください!

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