こんにちは!たまごです。
今日は前から行ってみたかった、台北にある「台北偶戲館」を見学してきました!
ワンフロアだけの、そんなに広いとは言えない敷地内ですが、中には実際の布袋劇の人形などが展示してあります。さらに、常設展のほかに企画展もあって、今開かれているのがインドネシアのピーインシー(皮影戲)のワヤン・クリなんです!とても綺麗なので、ここでシェアさせてほしいと思います!
展示内容
小さな博物館ですが、全世界の人形劇全体について学べる展示内容になっています。布袋劇もあれば、影絵劇(ピーインシー=皮影戲)もあります。また、台湾の芸能だけでなく、世界全体の人形劇の紹介があります。お子さんたちに広く学ばせたい場合はここがピッタリです。
入ってすぐのところに世界地図があって、木製のフラッグを国名のところに立てると、各国の人形劇の概要について音声で紹介してくれます!これはとてもいいですねー。
個人的にこの西洋中心の地図は嫌いですが(笑)ここは台湾なので、台湾を中心に置くのがよいと思っているので…。
台湾の布袋劇(プータイシー)
台湾の布袋劇の歴史と、それぞれの時代の人形の展示があります!
今回、日本時代の布袋劇の人形を初めて見ました!解説を見ますと、当時、台湾語は使われていたようなのですが、内容はすべて日本のお話に変えさせられていたんだそうです。人形の見た目は台湾・日本を混ぜた感じということで、あんまり日本風ではないのですが、色合いはかなり地味な感じに変わっていますね。
人形の他、衣装や舞台、楽器などの展示があります。布袋劇が人形だけでなく、たくさんの音楽や美術に支えられていることがわかる展示内容になっています。このコーナー、入ってすぐのところなのですが、じっくり見てるとけっこう時間がかかります。
ところで先ほど気づいたのですが、パソコンのキーボードで、カタカナで「プータイシー」と打つと「布袋劇」と変換されます!感動(笑)
世界の人形の紹介(実物の展示もあり!)
続いては、西洋でのパペットについての展示があります。イタリア・イギリス・フランス・ドイツ・ロシアの人形劇についてです。そのうち実際に人形の展示がるのはフランスのGuignolとロシアのペトルーシュカとなっています。
私は音楽が好きなので、ロシアの人形劇の紹介で、バレエにもなった「ペトルーシュカ」に言及されていたのがうれしかったです。というのも、ペトルーシュカ はストラヴィンスキーの美しい音楽とともに、バレエにもされているのです!衣装も踊りもとても可愛くて綺麗で、音楽も冬の祭りのイメージが膨らむようなとても素晴らしい作品です。ストーリー自体は、切なくて悲しいストーリーなのですが…。30分くらいの短いステージなので、ご覧になったことのない方はぜひ観てみてほしいと思います。
なかなかオフィシャル版動画が見つからなかったため、このブログには貼っていないのですが、”petrushka ballet”や”petroushka ballet”で検索するとたくさん出てきますのでご興味のある方はどうぞ。
音楽だけのオーケストラ版のCDはいくつか持っているのですが、一番好きなのは綺麗でかわいらしいウィーンフィル・ドホナーニ指揮バージョンです。ご興味のある方はぜひ色々探してみてほしいです。
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世界の皮影戲
インドネシア
このコーナーでは、世界の影絵芝居について展示されています。世界のと言いましたが、インドネシアと中華圏のものが中心です。
まずは、インドネシアの影絵芝居・・・ ワヤン・クリの展示です。繊細な線がとても美しいですね!
中華圏
続いては中華圏での影絵芝居の展示です。ここでは、中国での影絵芝居の始まりについて・・・漢の武帝が最愛の李夫人を亡くし、何もかも手につかなくなってしまったとき、これはダメだと大臣たちが術士を呼び寄せ、李夫人の影絵を作りました。武帝はその影絵を見ては心を慰めた、という逸話が紹介されています。
このコーナーではこの他にも、ビデオでの影絵芝居の演技の方法についても展示されています。
特別展:たくさんの線と色がとても綺麗な、インドネシアのワヤン・クリ
ここからは、特別展のワヤン・クリ・・・ジャワ島とバリ島の人形の展示です。色とりどりのインドネシアの影絵人形、とても綺麗です!
中華圏での布袋劇や皮影戲の配役が概ね決まっているように、インドネシアでも概ね役割が決まっているようで、展示の表示には「魔人」「英雄」「戦士」などがありました。日本語のワヤンクリ紹介のウェブサイトで見てみると、神・王族・道化などに分かれるようです。
インドネシアのワヤン・クリ影絵劇は、米の豊作やすべての命の繁栄を祈って行われるそうです。それで劇中に神様が登場するのですね。
手前にDIYのコーナーがあって、お子さんたちも、簡易版ワヤン・クリの人形を作れるようになっています。型紙と色つけようのペン、関節部分を止めるピンが準備されています。配色によってけっこう印象が大きく変わるのですね!お子さんそれぞれの自由な発想で様々な作品ができるので、楽しいと思います。
とても細かいデザインで、細い線がとても綺麗で、美術品として鑑賞できます。…と言いつつ私、初めて本物を見たということもあって、神様と道化の区別がなかなかつかないのですが(ごめんなさい!)、いつかインドネシアに行って、ワヤン・クリの演技を見てみたいです。早くコロナウイルスが落ち着いて、また自由に旅行に行ける日が、早く来ることを願っています!
(参考)日本ワヤンクリ協会: http://wayangjepang.com
日本ワヤンクリ協会元主催の松本亮さんは、書籍も出版されています。ご興味のある方はどうぞ!
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まとめ
この博物館には他にもインドのパペットや、お子さんが操作して遊べる宇宙船のおもちゃなどもありました。写真もOKで、記念にもなるので、お近くにお出かけの際はぜひ行ってみてほしいです。松山文創園區のすぐ向かい側なので、そちらにお出かけの帰りに寄ってみてもいいかもしれません。
見学スペースは2階部分だけと、小さいな博物館ですが、説明などもじっくりご覧になりたい方は、最低1時間半くらいはみていったほうが良いかと思います。
台北偶戲館 アクセス
所在地:台北市松山區市民大道五段99號2階
台北MRTの場合は「國父紀念館」5番出口から出て、光復南路→市民大道五段沿いに向かうのがおすすめ。
電話:+886 (0)2-2528-9553
開館時間:10:00-17:00 (月曜休館)
地図:
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