こんにちは! たまごです。
先日高雄の岡山文化センターというところの一部になっている、皮影戲博物館(影絵芝居博物館)に行ってきました!
皮影戲:影絵芝居のことで、”ピーインシー”と読みます!
立地も高雄の中心部から離れていて、あまり目立たない施設なのですが、建物全体が博物館になっていて、想像以上に楽しめました。
中には世界の影絵芝居や人形劇などの紹介と、台湾の伝統的な牛皮を使った影絵人形・物語の展示があります。
世界の影絵芝居・人形劇
世界各国、それぞれ特色のある人形劇があることが紹介されています。人形本体は、各地で入手しやすい原料で作られています。台湾の皮影戲は、元々は中国から来たもので、牛皮が使用されています。
中國の影絵芝居の発端は、漢の武帝が愛妻の李夫人が亡くなった後、他のことが何も手に付かなくなり、彼の悲しみをなぐさめるため、李夫人の部屋に彼女のシルエットを作ったのが始まりだそう。台湾の影絵芝居も、この系統のものが中国から渡ってきたものだそうです。
展示室では、他国の人形劇の紹介として、チェコの人形劇や、ベトナムの人形劇などの映像が流れています。入手源はyoutube(笑)ベトナムの人形劇は、水にジャブジャブ浸かった状態での演技となっています。すごいですね。
ベトナムの人形劇 チェコの人形劇
チェコの人形劇は旅行に行った時に実際に観たことがあるのですが、ドン・ジョバンニのオペラの音楽(録音)に合わせて人形たちが演技をするもので、言葉がわからなくても楽しめる内容になっています。毎晩プラハの劇場で公演があります。おすすめです!
人形で遊んでみよう
影絵人形を実際に操作できる舞台があります。スクリーンにピッタリとくっつけて動かす必要があり、やってみるとけっこう難しいです。
デジタル版・・・スクリーンに手を触れると、手の動きに合わせて動くデジタルの人形も。こちらの方が簡単に動かせますね。意外とおもしろいポーズが繰り出せたりして、時間を忘れて楽しんでしまいました。
影絵人形たち&ストーリー
ここは撮影禁止の展示物が多かったです。
「牛皮を使った人形は撮影禁止」ということでしたが、そもそも生で人形を見たことのない人には牛皮を使った人形がどれで、別の原料を使ったものがどれなのかわからず、撮影禁止のマークも非常にわかりにくいです。ということで、毎回人形を撮影するときは、展示物の下の部分に撮影禁止のマークがないかどうか、ご注意ください。
ここでは様々な演目と、そのキャラクターの人形が展示されています。中には「南遊記」というものもあって驚きました!中国には東西南北の○遊記があるそうです。南遊記は、主人公の華光が、地獄に落ちた生みの母を助けに行く冒険物語。孫悟空も脇役として登場するそうです。
牛車で上演再現コーナー
当時を再現した牛車を使ったお芝居の再現コーナーです。
すべて台湾語・・・福建省をバックグラウンドとする台湾人の方々の方言・・・で繰り広げられるので難しいですが、かろうじて中国語字幕があります。
内容を理解するのは難しいとは言え、影絵の動きを鑑賞するにはまったく問題ないです。当時の雰囲気を味わえます。壁には当時のお客さんの様子が写された写真が展示されています。テレビが当たり前でなかった時代はみなさんこうして夢中で皮影戲を見たのでしょうね。
お寺の外で影絵芝居を鑑賞するみなさん
影絵芝居は総合芸術
牛舎コーナーを抜けたところの展示では、影絵芝居にはどんな要素が必要か・・・人形・スクリーン・光・音楽・脚本・人形師(動き)の総合芸術であることが伝えられています。
実際の楽器の展示もあります。
こちらの漢字は、影絵芝居で定番となっている各役柄の説明です。
男性主役[生]・女性主役[旦]・豪快またはずる賢い男性[淨]・中年以上の男性[末]・コミカルな役[丑]で構成されています。京劇などもこの原則に沿ったキャラクター構成になっているようです。あらかじめ知っていると、物語の大枠をすぐにつかむことができますね。
各劇団の紹介
かつては台湾高雄の岡山、まさにこの博物館があるエリアに、40もの影絵芝居の劇団があったそうです。しかし、布袋劇などと同じように、テレビなどの各種メディアの出現によって衰退し、影絵芝居で生活していくのは難しい時代になってきました。昔はたくさんあった劇団も、今ではすっかり少なくなってしまったとのこと。
こちらも参考になります:Youtube Taiwan Bar (中国語)
3階 – 現代版の影絵芝居
この建物は、2階が資料室、3階が劇場になっています。
写真は3階の様子。
東海大学芸術学部(美術系)から発足した劇団の、東海皮影がここにきて公演をしているそうです。
他にも、東華皮影劇團が、高雄の岡山文化中心を含め、全国各地で講演をしています。ご興味のある方はこちらをチェックしてみてください。
4階 – 特別展:劇団・東海皮影関連の展示|古典と現代の融合
現在活動中の劇団:東海皮影の展示
4階は特別展示と、ワークショップが行われるエリアになっています。
今こちらで展示されている人形の中には東海皮影という劇団で今実際に演じられている演目のものです。現代劇として、星の王子様なども演じられているということで、今の子どもたちも興味を持って見ているそうです。
こちらの展示は2021年2月28日までです。
幻想的な星の王子さま 漢楽府「陌上桑」
「陌上桑」は、美しい漢詩が元になっています。たくさんの人がなお恋慕ってしまう、美しくて貞節な人妻のお話だそう。
影絵芝居の人形って線がすごく繊細で綺麗なんですね。色づかいも独特で、静止している状態でも美術品として鑑賞価値があると思います。
ワークショップ:影絵人形を作ってみよう!
台湾全国から子どもたちが遠足で来るなどしているそうで、私も子どもたちが体験しているという影絵DIYを体験させてもらいました。(と言ってもはさみで紙を切っただけなのですが^^;)
りすときつねのうち一つ選んで、線に沿って紙を切ります。数か所穴をあける部分があって、そこに針金を通し、裏・表両方ともクルクルとまとめたら完成。私はきつねにしました。星の王子さまで使われているきつねと同じ形なんだそうです。かわいいですね。
これを作ってみて、影絵がどんな風に動いているのか、よくわかります。関節をどこに設定するか、紙を何枚組み合わせるかによって、動きが全然違ってきます。自分が表現したい動きに合わせて紙人形を設計できるようになったら、とても楽しいですね。子どもたちの創造性が育まれそう。
※材料費など別料金がかかることがあります。
翻訳アプリ
台湾語・英語・日本語対応の、物語のあらすじなどを翻訳してくれるアプリがあります。
ですが、日本語を見てみたところ、なんのこっちゃわからないものが多かったです(笑)雰囲気だけでも楽しめるかと思いますので、ご興味のある方はどうぞ。展示室入場の右手の壁にQRコードが貼ってあり、そこからダウンロードできます。
おみやげコーナー
1階受付のすぐ後ろの方におみやげコーナーがあります。皮影戲をテーマにしたものが中心で、どれもとても綺麗です。
皮影戲モチーフのしおり ポストカード50元
施設情報
名前: 皮影戲博物館(岡山文化中心)
所在地: 高雄市岡山區岡山南路42號
高雄MRT「南岡山」駅から徒歩5分です。
電話: +886 (0)7 626 2620 内線 2806
営業時間:
火曜日から日曜日 9:00〜17:00
月曜休館。
※旧正月前後は休館になるのでご確認ください。
※15分程度のガイドツアーもあります。私は14:00からのツアーに参加しました。ご興味のある方はお問い合わせください。
入場料: 無料
地図:
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